雑記帳
時の過ぎゆくままに

ミニ・セミナー 「人はなぜ懐かしがるのか」
いつの時代にもそれなりあるのでしょうが、特に少し前から「昭和」を懐かしむとか、様々なジャンルのレトロブームが起きているようです。
それぞれの自分の体験の中で見聞きした懐かしい風景を見たり、歌を聴いたりすることが時々あると思います。
人は懐かしいものに出会うと、思わず感嘆の声を上げたり、時には涙がこみ上げてきたり、あるいは胸がキュンとなったりするものです。
懐かしさをいやがる人はまずいません。 さて「人はどうして懐かしがるのか」 というのがこの話のテーマです。
懐かしい という言葉の元は何だがご存じですか?
それは 懐く(なつく) という言葉 そう 「よく懐いてる」という懐くです。
そして そのさらに元の言葉は 「馴れ着く」 から来ています。
つまり 懐かしいというのは 馴れ親しみ、愛着を感じる時の気持ちです
古い表現で言えば、「いとおしい」 (愛おしい)という感覚に近いものです。
これも 元々は 「いと おしい」 (とても惜しい)、もし手放したとしたらこれ以上惜しい物はないと言うような、気持ちを表すことばでした。
人は懐かしさを感じるとき、この 「いとおしさ」 覚えるんですね。
「いと 惜しい」 で 思い出しましたが、「もったいない」 という言葉もありますね。以前、この「もったい」っていったい何なんだろう と思って調べてことがあるんですが、これ、以外なんですよ。
「もったい」っていうの漢字で書くと、 「勿体」と書きますが、そもそもは「物体」と書くんですね。意味は 本体とか本質という意味です。
勿体ない
(その物の本質、価値を無視していたり、軽々しく扱っていて惜しい)本来のもったいを亡きものようにしているので 勿体ない というんですね。
ところで、何が勿体ないといって時間ほど勿体ない物はないと思いませんか
過ぎてゆく時は2度と再び取り戻せない ということはよーく分かってる割には普段あまりもったいながらないようです。
でも、人は懐かしい目に遭うと、普段気にも留めないようなことが、いかに いと おしい ものだったかを改めて感じたりするんですね。
人はどうして懐かしがるのか というのがこの話のテーマでした。人は懐かしさに出会うと、愛着とか、いとおしさを感じ、そしてそれが人を寛大で優しい気持ちにさせ、気持ちをほぐし、つまり人を癒す効果があるということらしいです。
そういう訳で、人は時々、懐かしい目に出くわすのは良いことなのです。